白石温麺(しろいしうーめん)とは《調理例などの簡単なご説明有り》
白石温麺 (しろいしうーめん) は、「温麺」と書きますが
温かくして食べるもの、という意味ではありません。
その秘密は、、、下記の由来を是非ご覧下さい。
《 白石温麺 (しろいしうーめん) の由来 》
今から400年ほど前のこと。
奥州白石城検断役の鈴木浅右衛門は胃病を患い、長い間床に伏せって
いました。
好物のそうめんを食べたいと言っても、「そうめんは油を使っている
から」と医者はそれを許しません。
次第に痩せ細っていく父親の姿を心配した息子の味右衛門は、なんとか
して父親を助けたいと思っていた時、ある旅の僧から油を使わない
麺の作り方を耳にし、「これだ !」と思い立ちます。
試行錯誤を重ね、味右衛門はようやく父親に食べさせる事が出来るまで
の麺を作り上げる事が出来ました。
そうしたところ、それまでろくに食べ物も口にできなかった父親は喜び、
徐々に食欲も回復へ向かい始めました。
やがて父親の胃病は全快し、この話が時の殿様(片倉小十郎)に伝わり
ました。
この話を耳にした殿様は味衛門の温かい思いやりの心を賞められ、
親孝行の温かい心から生まれた麺を 「温麺(うーめん)」と御名付け
下さいました。
これが白石温麺の始まりです。
芭蕉が奥の細道を辿った、元禄の頃の本当にあったお話です。
このような逸話を持つ麺というのは稀なのではないでしょうか。
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* 上記は、白石温麺の由来を記したものであり、白石温麺が *
* 病気を治すものであるという事を記したものでは *
* ございません。 *
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《 白石温麺の長さは9cm 》
白石温麺は、長さ3寸(約9センチメートル)ですから、一般的な麺より
かなり短く、手のひらサイズの長さが特徴の1つです。
分類上はそうめんなのですが、そうめんよりはほんの少し太いのが標準的
な白石温麺です。
短さの理由は諸説ありますが、身体が弱っている方にとっては、
「(麺を)すする」という事は思いのほか体力のいる動作です。
そのため、“少しの力でも食べやすいように”という優しい思いやりの
心から、この長さになったとも言われております。
またもう一方では昔は馬の背に乗せて麺を運んだので、折れてしまって
商品にならなくなる事もしばしばだったようです。そのため、最初から
短く仕上げたという説などもあります。
《 白石温麺の原料は 水・塩・小麦粉 》
昔と変わらない「水・塩・小麦粉」が主な白石温麺の原料です。
化学的な添加物などは使用しておりません。
製造の工程で油も一切使用しておりません。
そして9cmと短いことや細麺であることなど、赤ちゃんやお年寄り、
ご病気の方や介護が必要な方へのお食事としても広くご利用頂きたい
と思います。
商品によって若干異なりますが、基本的に1束が1食分 (80g~100g程度)
となっています。
短くて手のひらの上に乗ってしまうせいか、茹でる前は「この量だと
足りないんじゃない?」と感じられるようです。
そして茹であがると今度は「普通にまあまあの量ある・・・」となり、
「温麺は(茹でると)増える」という謎の印象を持たれがちのようです。
普段身近にある私どもでは気がつく事が出来ないような、
お客様から伺った面白いお話です。
《 「温麺」という名前だし温かくして食べるものなの? 》
「【温麺】と書くのだから、温かいつゆで食べる冬の食べ物だろう」と
お思いになられる方がほとんどだと思いますが、地元宮城県では白石温麺
の一番のシーズンは夏で、【キリッと冷たく】してお召し上がりになる
方がとても多いです。
宮城県仙台市周辺など、県内の一部地域に「おくずかけ」という白石温麺
を使った料理がありますが、これはお盆に食べる (お供えする) ならわしの
郷土料理です。
(なぜかこの「おくずかけ」は暖かくとろみをつけたつゆで頂く料理
です。昔は葛粉でとろみをつけていたので「おくずかけ」というよう
ですが、今は片栗粉で代用するパターンが多いです)
細麺ですから、春夏秋冬、四季を通じて温かくも冷たくしても美味し
くお召し上がり頂くことができます。
細麺ではありますが、9cmという短さが功を奏し、ドロッとしたパスタ
ソースと合わせても、麺にソースが絡まりすぎて「口の中がソースだら
け! 」という印象があまりなく、美味しくお召し上がり頂けます。
《 利点いろいろ 》
白石温麺は、乾麺ですから賞味期限が長いのが特徴です。
通常の(白い)温麺ですと製造から3年。
淡いピンクの「しそ温麺」や、爽やかな緑の「わかめ温麺」は2年です。
たっぷりのお湯で茹で上げて頂くのが乾麺を美味しくお召し上がり
頂くコツではあるのですが、白石温麺は短いので、お1人分程度でしたら
小鍋でもサッと茹でられます。
お一人暮らしの方は、そんなに大きな鍋は持っていないという方も多い
と思います。(茹で上げ時は、ふきこぼれにご注意下さい)
小鍋しか無いので、(長い)麺を折って茹でていますという方のお話も
耳にしますが、白石温麺ならば折らずにそのままゆで上げOK! です。
細麺ですから、茹で上がりも早いです。
商品によって異なりますが、およそ3分前後が基本です。
茹でた白石温麺が余ってしまったら、ハムやキュウリ、ゆで卵、
ツナやコーンなど、お好みの具材とマヨネーズで和え、塩胡椒
で味を調えると【サラダ温麺】の出来上がりです。
(お客様から「レモン汁を少々加えるとさっぱりします」と教えて
頂きましたのでよろしかったらお試し下さい)
今はサラダチキンなど種類も色々ありますので、具材のバリエーシ
ョンは豊富ですね。カニカマなども彩り良くオススメです。
余った白石温麺(茹で上げ後のもの)は、お好み焼きやチヂミ風
にして頂いたり、グラタンのマカロニの代わりに茹でた温麺を
入れた、スパゲティグラタン風温麺もおすすめです。
チーズたっぷりでどうぞ。
その他、温麺レシピとしては、、、
麺の上に細切りのキュウリやツナを乗せ、冷たいめんつゆを
かけてお召し上がり頂くぶっかけ風もおすすめです。
このときツナは、お好みで缶から出してそのままだったり
マヨネーズであえて味を付けたものでも。(あえずにツナの脇に
マヨネーズを添えるのがお好きな方もいらっしゃいますよ)
麺つゆは普通の希釈タイプのしょうゆベースの麺つゆで充分
美味しいです。お好みで薄くスライスした玉ねぎを加えて
頂いても。粗びきコショウはお好みで。
焼きそば風・焼きうどん風に炒めても美味しいです。
温かくしてお召し上がり頂く時には、中華スープもおいしい
です。とき卵をふんわり入れて加熱しネギをたっぷり。そこに
ゴマ油をプラスして頂き、麺にサッと掛けてお召し上がりください。
ゴマ油の香りが引き立って食欲が増します。片栗粉でとろみを
付けると寒い冬によさそうです。
具材としてシイタケの薄切りなどをあらかじめ入れても良さそう
です。
洋風のコンソメにも合います。
セロリ・ベーコン・キノコが入ったコンソメ仕立ての白石温麺は、
弊社の工場長宅・冬の定番メニューだそうです。お好みでお召し
上がりの直前に、バターを浮かべて頂くのも良いと思います。
大人の方は粗びきのコショウをたっぷりでどうぞ。
温かく・冷たく・そしてパスタソースなどで和えたり、炒めたり、
四季を通じて色々お試し頂けると嬉しく思います。
《 塩分について 》
麵に含まれる塩分についてですが、茹で上げ後は茹で上げ前の
8割ほどが減少する(ゆで汁に溶け出す)と言われております。
※茹で上げる時は、100gあたり1リットルほどのお湯をご用意
頂くのが美味しくお召し上がり頂く目安となっています。
茹であがりましたらザルにあげ、すぐに冷水でもみ洗いをし、
水をよく切ってからお好みの方法で調理なさってください。
(冷水に氷をプラスしてキンキンに冷やして絞めてからよく
水を切ってお召し上がりになる方も多いです)
【茹でる時にご注意下さい】
白石温麺は、1束ごとに紙製の「巻紙」で巻いてある
スタイルのものが多くございますが、その中は必ず
「中結い」と呼ばれる細いテープで束ねてございます。
ですから、茹でる時に巻紙からスッと抜くように鍋のお湯に
投入されますと、束ねられたままドボンと鍋に入って
しまい、麺同士がくっついてしまい美味しくお召し上がり頂く
事ができなくなります。
必ず巻紙を外した後、中結いテープも外して頂いてから
沸騰したお湯にパラパラと投入して下さい。
(巻紙が無く、中結いのみの白石温麺もございます)
下には、白石温麺によく合うので昔から食べられて
いる くるみだれ・ごまだれの作り方を掲載しています。
白石市内の飲食店で白石温麺を提供しているお店では
【通常の醤油ベースのつゆ】【くるみだれ】【ごまだれ】
この三種のつけづゆが全て付いたメニューのあるところが
多く、三種類一度に味わって頂ける機会も多いかと思い
ます。
様々なお召し上がり方でお楽しみ頂ければと思います。
くるみだれ・ごまだれの作り方
ごまだれ ●材料(3~4人分)
ねりごま 大さじ2(白ごま・黒ごまどちらでもお好みで)
砂 糖 大さじ2
醤 油 大さじ2
酒 大さじ1
水 150cc
ねりごま・醤油・砂糖と、大さじ2の水(材料に記載した水150ccとは別)
を入れ、よくまぜあわせます。
次に酒と水(上記の150cc)を入れ、よく混ぜ合わせて出来上がり。
くるみだれ ●材料(3~4人分)
ねりくるみ 大さじ2
砂 糖 大さじ2
醤 油 大さじ2
酒 大さじ1
水 150cc
ねりくるみ・醤油・砂糖と、大さじ2の水(材料に記載した水150ccとは別)
を入れ、よくまぜあわせます。
次に酒と水(上記の150cc)を入れ、よく混ぜ合わせて出来上がり。
★くるみだれには、お好みで酢を少々加えて頂きますと、さっぱりとした
お味をお楽しみ頂けます。